
あの頃、日本中がサンタだった
——1990年、史上最大のクリスマス経済効果と「失われた30年」の正体
2025年のクリスマス、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
最近は「タイパ(タイムパフォーマンス)」や「賢い消費」が主流ですが、かつてこの国には、経済の常識を無視して誰もが「狂乱のサンタクロース」になっていた時代がありました。
私たち40代がまだ小学生だった、1990年前後。あの頃、日本のクリスマスがどれほど凄まじい「経済の怪物」だったか、少し振り返ってみませんか。
1. 1泊20万円のホテルが1年前に埋まる「異常事態」
1990年12月24日。日経平均株価が史上最高値(3万8915円)を記録した翌年のクリスマス。当時の大人たちにとって、クリスマスは「静かに過ごす日」ではなく、
「どれだけ金を積み、格好を付けるか」
の真剣勝負でした。
・赤坂プリンスホテルの伝説:
当時、イブのスイートルームは1年前から予約で満室。一晩で数十万円が飛ぶのが当たり前でしたが、誰もそれを「高い」とは言いませんでした。
・ティファニーのオープンハート争奪戦:
プレゼントといえばティファニー。銀座の店頭からは在庫が消え、文字通り「奪い合い」が起きていました。今の私たち40代が、居酒屋で「とりあえず生」と頼む感覚で、当時の大人たちは「とりあえず高級フレンチとダイヤ」を選んでいたのです。
2. 「史上最大」の経済効果とその背景
1990年のクリスマス消費は、単なるイベントの域を超えていました。百貨店の売り上げは12月だけで年間シェアの20%近くを占め、クリスマスイブの一晩だけで、現代の数倍にのぼる経済効果があったと言われています。
なぜこれほど盛り上がったのか。
それは、国民全員が「明日は今日より豊かになる」と、根拠のない、しかし確信に満ちた自信を持っていたからです。
3. クリスマスが終わった「1989年12月25日」の予兆実は、日銀が利上げを断行したのは1989年のクリスマス当日でした。まさに宴が最高潮に達していたその日に、バブル崩壊へのカウントダウンは始まっていたのです。翌年の1990年のクリスマスは、崩壊直前の「最後の輝き」だったのです。
それから30年。私たちは「失われた30年」を生き、1円単位のガソリン価格に一喜一憂し、効率的な消費を良しとする価値観を身につけました。
大人のクリスマスを取り戻す今の40代にとって、1990年の狂乱は「親や親戚が浮かれていた記憶」かもしれません。しかし、現在の高市政権への高支持率や、景気回復への期待感を見ていると、再び「あの頃のような活気」が日本に戻ってくる予兆を感じずにはいられません。バブルの無駄遣いを推奨するわけではありませんが、たまには「理屈抜きで楽しむ経済」があってもいい。そんなことを考えながら、今年のクリスマスを過ごしています。





