日経平均株価の急落が示す日本経済の課題と私たちの備え

2024年9月4日、日経平均株価が一時1500円以上も急落し、37,500円を割り込んだという速報が報道されました。前日のニューヨーク市場でダウ平均株価が600ドル以上下落したことが主な要因とされており混乱していると報道されているものの、実感が湧かず、いったい何を意味するのかわからないという方も多いのではないでしょうか。この影響は私たちの日常生活にも波及してくる可能性はあります。ここでは、株価の急落が国民生活にどのような影響を与えるのか、過去の事例を踏まえて解説し、その影響に対して私たちが今できる対策について考えてみたいと思います。
日経平均株価とは何か?

日経平均株価は、日本を代表する株価指数の一つで、日本経済新聞社が算出しています。東京証券取引所の「プライム市場」に上場している225銘柄(いわゆる「日経225」)の株価を基に計算され、日本の経済全体の動向や投資家の心理を反映する指標として国内外で広く利用されています。日経平均株価が上昇すれば、日本経済が好調とみなされ、下落すれば経済が不安定と解釈されることが多いです。したがって、日経平均株価は日本の経済活動や企業の成長性、消費者心理の変化を知る上で、非常に重要な指標です。
2008年の事例の解説と日本経済への影響
今回の様に、2000年以降に日経平均株価が1,500円以上下落した日は少なくとも5つの事例が確認されています(2008年,2011年,2013年,2016年,2020年)。これらの大幅な下落は、いずれも国内外の経済不安や予期せぬショックが引き金となっていることが多いです。とりわけ2008年のリーマンショックは、日経平均株価に対しても大きな影響を与えました。この金融危機の際、米国のリーマン・ブラザーズが破綻し、世界中の金融機関で信用不安が拡大しました。その結果、株価が暴落し、金融市場は大混乱に陥ったのです。。
日本でも、日経平均株価は2008年10月10日に1,500円以上の急落を記録。その後も下落は続き、2008年10月27日には終値はバブル崩壊後の最安値を記録しました。この株価急落は、日本経済に深刻な影響を与えました。
リーマンショック後の日本経済の影響
- マイナス成長の記録:
- リーマンショック後の経済混乱は、日本経済を急速に悪化させ、深刻な不況を引き起こしました。2008年末から2009年にかけて、日本の実質GDP成長率は大幅にマイナスとなり、特に2009年1-3月期には年率で-15.8%という戦後最大の経済収縮を記録しました。このマイナス成長は、企業の倒産増加や失業率の上昇、消費の急減など、多くの経済活動に悪影響を及ぼしました。
- 消費の減退とデフレの進行:
- 株価の急落により、消費者は将来への不安を強く感じ、消費を控えるようになりました。このため、消費が冷え込み、物価が下落するデフレの圧力が強まりました。デフレ環境下では、企業の利益が減少し、賃金の伸び悩みや雇用の不安定化が進みました。
- 雇用環境の悪化:
- 企業の業績悪化や倒産の増加により、雇用が大きく減少しました。失業率は2009年7月に5.7%に達し、過去最高を記録しました。特に派遣労働者や非正規雇用者の雇用が不安定化し、労働市場に大きな影響を与えました。
- 金融機関の不安定化:
- 多くの金融機関が資産価値の下落や信用リスクの増大に直面し、貸し渋りや貸し剥がしが発生しました。これにより、企業の資金繰りが悪化し、経済全体の停滞を助長しました。
- 政府の対応と景気刺激策:
- 政府は、金融緩和や財政出動を行い、経済刺激策を打ち出しました。しかし、景気の本格的な回復には長い時間がかかり、日本経済は長期にわたってデフレと低成長に悩まされることとなりました。
今回の事例が示す国民経済への影響
今回の日経平均株価の急落は、2008年のリーマンショック時のように、日本経済が再び大きな不確実性に直面していることを示唆しています。この株価急落が国民経済に与える影響として、以下の点が考えられます。
- 消費者の信頼感の低下:
- 株価の急落は、消費者の将来への不安を高め、消費を控える行動を誘発する可能性があります。特に、耐久消費財やレジャー関連の支出が減少し、国内消費の縮小につながることが考えられます。
- 雇用環境の不安定化:
- 企業の業績悪化が進むと、雇用の削減や採用の抑制が行われ、雇用環境が不安定化するリスクがあります。中小企業や非正規労働者への影響が特に大きくなる可能性があります。
- 金融システムへの不安定要素:
- 金融機関のリスク管理が難しくなり、融資の引き締めや貸し渋りが発生する懸念があります。これにより、企業や個人の資金繰りがさらに厳しくなる恐れがあります。
- 年金や資産運用への影響:
- 年金基金の運用成績が悪化し、将来の年金給付額の減少リスクが高まります。また、個人投資家の資産価値が下落し、老後の生活設計に影響を与える可能性もあります。
今、私たちが必要とする備え
今回の株価急落を受けて、私たちは経済の不確実性に備えるために以下の対策を講じる必要があります。
- 資産の分散とリスク管理:
- 投資は株式だけでなく、債券、不動産、金など、異なる資産に分散することが重要です。これにより、リスクを分散し、資産価値の減少リスクを最小限に抑えることができます。
- 家計の見直しと生活費の確保:
- 不況時に備え、家計を見直し、無駄な支出を削減することが必要です。3〜6ヶ月分の生活費を緊急資金として確保しておくことで、予期せぬ事態に対応する準備を整えましょう。
- キャリアアップと多様な収入源の確保:
- 経済の不安定さに対応するために、スキルアップやキャリアの見直しを検討することが重要です。新しい技術や知識を習得し、複数の収入源を確保することで、経済的リスクに対する備えを強化することができます。
- 金融リテラシーの向上:
- 経済ニュースをチェックし、金融知識を身につけることで、経済の変動に対して適切な判断ができるようになります。自分の資産や収入、支出についての管理を徹底することが重要です。
- メンタルヘルスと健康管理の維持:
- 経済不安によるストレスを軽減するために、適度な運動や趣味、リラクゼーションを取り入れ、心身の健康を保つことも大切です。
まとめ
日経平均株価の急落は、経済の不安定性が高まる中で、私たち国民生活に多大な影響を及ぼします。しかし、過去の事例から学び、資産の分散や家計の見直し、キャリアの向上などを通じて備えを強化することが重要です。情報を冷静に受け止め、将来に向けた準備を進めることで、私たちの生活を守る力を養いましょう。
この記事が皆様の備えに役立つことを願っています。
ニュースリンクはこちら(日本経済新聞『日経平均株価、一時1500円超安 NYダウの大幅安が重荷』)
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